血やな

10年以上前に他界した父親。親族の間で偶然が重なると、「奇遇」という代わりに、「血やな?」というのが口癖でした。「血のなせる業やな?」を縮めてそう言っていたのです。

で、今回、ネットをみて門を叩いたクリニックですが、院長先生には外国人なまりがある感じです。おそらく、ご自身かお父上が中国か台湾のご出身なのでしょう。

台湾出身の肛門科医というと思い出されるのが、いまから30年ほど前に、西新宿の雑居ビルで開業していた老医師。飛び込み営業で知り合い、その後、いろいろとお世話になりました。

彼は、そこで保険外診療を行っていて、特効薬(成分不詳の塗り薬、1回1万円)を求める痔もちの患者さんが列をなしていました。化学の力でいぼ痔を焼くのか枯らすのか、そんな感じ。強烈な副作用もあった筈ですが、痔もちからしたら、そんな温いことは言ってられません。当時の私は、自分が痔もちになるなど予想もしていなかったので、診察の内容まで関知しませんでした。今になって悔やまれます。一度だけ、「これが儲けのネタだ」とばかりに、軟膏の入った壺を見せられた記憶があります。

この老医師が、いろいろ注文を出すのに、自分だけでなく、家族の名義も使っていたのですが、その中に、別の苗字のものがありました。「これは息子」という説明でしたが、おそらく日本人女性と結婚して、帰化したのでしょう。

この苗字、いまとなっては確かめようがないですが、もしかすると、今回手術していただいた院長先生と同じだったような気がします。

シートン法で輪ゴムを差し込んだ以上、この先も通院が続きますので、行く度に、鵜の目鷹の目で手掛かりを探します。